TPiCSのデータベースには、SQL Server 又は、Oracle Database を使用します。
本格的な運用では、データの規模が大きくなることや、自動バックアップ、自動メンテナンス機能が必要になり、有償のSQL Server Standard や Oracleを使用するのがよいですが、少人数での実運用や、テスト環境用には、無償のSQL Server Express Edtion が使用できます。機能の違いなど詳細はマイクロソフトのサイト SQL Server 2022 の各エディションとサポートされている機能 をご覧ください。
TPiCSのデモ版環境の構築を目的に、SQL Server Express Editionのインストール、データベース環境の構築を行っていきます。マスターサンプルを試してみるにも丁度よいデータベースです。
最新(2023年6月現在)のバージョンは、SQL Server Express 2022 です。
本運用の場合は
本運用の場合は、サーバー(役割としての意味合いのサーバ)にデータベースをインストールし、クライアントPCのTPiCSから接続して使用するか、サーバーにTPiCSもインストールし、リモートデスクトップサーバーを設定して、クライアントPCからリモートデスクトップ接続やRemoteAPP接続してTPiCSを運用します。
クラウドのサーバーを使用した場合もリモートデスクトップ運用します。詳細は、TPiCSの運用構成 をご覧ください。
デモ版環境は
デモ版環境の場合は、他への影響なく手軽に環境を構築変更できるように、クライアントPCにデータベースとTPiCSをインストールして使用します。
本運用のデータベースサーバーに、テスト環境のデータベースを追加することも可能ですが、誤って、本運用中のデータベースを削除しないように入念に注意が必要で、データベース管理をよく知っている方の場合にしてください。
目次
SQL Server(データベース)と SQL Server Management Studio(管理ツール)のインストーラ用意
SQL Server Express 2022(データベース)のダウンロード
SQL Server Management Studio 19(管理ツール)のダウンロード
SQL Server Express 2022(データベース) のインストール
SQL Server 2022 構成マネージャー - インスタンスの確認
SQL Server 2022 構成マネージャー - エージェントの確認
SQL Server 2022 構成マネージャー - MSSQLSERVERのプロトコルのTCP/IP有効化
SQL Server Management Studio 19(データベースの管理ツール)のインストール
SQL Server Management Studio の起動
TPiCSのデータベース設定ツールで接続、テーブルを作成する
SQL Server(データベース)と SQL Server Management Studio(管理ツール)のインストーラ用意
TPiCS 5.0のインストールDVDを、お持ちの場合は、DVDからSQL Server Expressをインストールできます。(23/6/19現在 SQL Server 2019を同梱しています。手順の差はありません。)
手元にない場合は、以下のマイクロソフトのホームページよりダウンロード、インストール可能です。
SQL Server Express 2022 のダウンロード
データベースシステムです。
ダウンロード始まるまでには、時間がかかることがあります。こちらからマイクロソフトのダウンロードセンターからダウンロードができます。
SQL Server Management Studio のダウンロード
SQLServerのデータベースを画面操作で管理するツールです。SQL Server のみだとコマンド操作が必要なので、このGUI(画面インタフェース)で操作できるSQL Server Management Studio (省略名SSMS)のインストールが必要です。
SQL Serverとバージョンの振られ方が異なっていて、最新(2023年6月現在)は、Management Studio 19.1です。
マイクロソフトのサイトから検索ダウンロードする際は、使用できる言語にある”日本語”からダウンロードしてください。一番先に目につくダウンロードは、英語版です。
SQL Server Express 2022(データベース) のインストール
インストールの種類
設定変更が必要なため、カスタムの選択が必須です。
Express版は特有のインスタンス名になり、TPiCSからの接続設定に苦慮するこが多くなるので、必ず[カスタム]でインストールします。
[カスタム]をクリック。
※基本は、インストーラで設定変更できません。
インストーラの保存先
インターネット経由でSQL Serverのインストーラが、ダウンロードされます。
[インストール]をクリック。
ダウンロード先は、”メディアの場所”から変更することができます。
処理中
ダウンロード完了
ダウンロードが終わると、自動的にSQL Serverインストールセンターへ画面が切り替わります。
SQL Server のインストール開始
SQL Server インストールセンター
「SQL Serverの新規スタンドアロンインストールを実行するか、既存のインストールに機能を追加します」をクリック。
SQL Serverの更新プログラムをマイクロソフトのサイトで検索されます。
更新プログラムのチェック完了
[次へ]をクリック。
インストール環境の検査が行われます。
ファイアウォールで警告は表示されていても、インストール実行には影響ありません。
[次へ]をクリック。
ライセンス条項
「ライセンス条項と次に同意します」にチェックを入れ、
[次へ]をクリック。
機能の選択
インストールするインスタンス機能を設定します。
☑データベースエンジンサービス のみチェックした状態にします。
他は必須機能ではないのため、オフにします。オンにしても支障はないです。
[次へ]をクリック。
インスタンスの構成
●既定のインスタンス に切り替えます。
デフォルトのSQLEXPRESSのインスタンス名は、TPiCSから接続設定するときに注意が必要なため、既定インスタンスを選択する方がよいです。
この設定により、後のSQL Server management Studioからの接続など、このデータベースに接続する際の指定が以下のように変わります。
・既定のインスタンス
インスタンス名:MSSQLSERVER
接続時:サーバー名 のみでインスタンス名不要。
・デフォルトのインスタンスSQLExpress
インスタンス名:SQLEXPRESS
接続時:サーバー名¥SQLEXPRESS
インストール後にインスタンス名の変更はできません。
[次へ]をクリック。
複数のインスタンスをインストールしている場合は、下の“インストール済みインスタンス”に一覧で表示されます。
インスタンス名:MSSQLSERVERが重複している場合は、任意のインスタンス名を設定します。
サーバーの構成
サービスアカウント
デフォルトのままでよいです。
SQL ServerデータベースエンジンをPC起動時に自動起動する設定です。
SQL Server Browser は、名前付きインスタンス(SQLEXPRESSなど)を設定していて、他のPCから接続されるときに必要になります。
サーバーの構成
照合順序
[照合順序]タブをクリック。
データベースエンジンの照合順序の設定です。
デフォルトの japanese_CI_AS (大文字と小文字を区別しない)でよいです。
[次へ]をクリック。
照合順序の変更は[カスタマイズ]から行うことができ、”大文字と小文字を区別する”を設定できます。
これはデータを検索時に関係します。
・大文字小文字区別するの場合
登録したいデータ
AAA、aaa、AaA、aAA
登録できるデータ
AAA、aaa、AaA、aAA
すべて別々のデータとして扱われます。
AAa を検索すると、該当なしです。
・大文字小文字を区別しないの場合
登録したいデータ
AAA、aaa、AaA、aAA
登録できるデータ
AAA のみ
aaaは登録済みデータとして判別されます。
AAaを検索すると、AAAがヒットします。
TPiCSには、キー項目を登録時に大文字に変換する機能があるため、”大文字小文字区別しない”でも、登録は大文字にでき、小文字で検索してもヒットできます。他のシステムは、”大文字小文字を区別する” ことが多いので、連係システムとの関連で決まることもあります。
[データベースの照合順序のカスタマイズ]
デフォルトの、japanese_CI_AS (大文字と小文字を区別しない)を表示した例です。
※必須ではありません。
大文字と小文字を区別する場合の設定例です。
※必須ではありません。
[データベースの照合順序のカスタマイズ]で、大文字と小文字を区別する、に設定した結果、japanese_CS_AS(大文字と小文字を区別する)に切り替わる例です。
データベースエンジンの構成
サーバーの構成
●混合モードに変更します。
パスワードには、大文字、小文字、数字を組み合わせ8文字以上にする必要があります。(デフォルトのパスワードポリシーに従い記号の指定も可)
ここで設定したパスワードを、後のデータベースへの接続に使用します。
※TPiCSはSQL Server認証が必要なため、混合モードの選択が必須です。
SQL Server管理者の指定 一覧には、ログイン中のWindowsユーザーが追加されます。
パスワードを忘れた場合には、Windowsユーザーでログインすることが可能です。
データベースエンジンの構成
データ ディレクトリ
[データディレクトリ] タブをクリック。
デフォルトのままでもよいです。
ユーザーデータベースディレクトリは、これから作成するデータベースのファイルが作成されるフォルダです。
ユーザー データベース ディレクトリ、ユーザー データベース ログ ディレクトリ、バックアップ ディレクトリは、インストール後の変更も可能です。
データベースを作成してしまったら、データベースをデタッチ、移動、アタッチの操作が必要になるために、インストール後の変更も早めに設定するのがよいです。
・ユーザーデータベースディレクトリ
ユーザー データベースファイルは、実運用になるとデータが増えファイルサイズが自動拡張されていきます。大事なデータベースのファイルが深い階層のため見つけられなかったり、拡張されてProgram Filesの内で容量をとり、気づいたときにはドライブがいっぱいになり、OSの更新ができなくなるなどが発生します。実運用を想定するならば、専用のドライブ(Dドライブ)に保存や、有りかが把握しやすいフォルダに配置するなどが望ましいです。
・ユーザー データベース ログ ディレクトリ
ユーザーデータベースログディレクトリは、データベースごとのトランザクションログファイルが入り、データベースの詳細な更新を記録し、障害発生で復旧の際に、バックアップによって保存された時点からさらにトランザクションログによって復元に使用されます。本運用でディスクの障害やログの書き込み速度まで考慮すると、データベースディレクトリと分けることがあります。データベースファイルは、データの更新をためてから書き込みが行われるが、トランザクションログは、更新のつど書き込みが行われます。
・バックアップ ディレクトリ
データベースのバックアップを行う時のデフォルトの保存先です。把握しやいフォルダがよいです。
データベースエンジンの構成
TempDB
[TempDB]タブをクリック。
複雑なSQL文の実行時に、自動的に使用される一時的なデータベースです。
デフォルトのままでよいです。
実運用では高速なディスク(高速なSSD)の方がよいです。
データベースエンジンの構成
メモリ
[メモリ]タブをクリック。
SQLServerが使用してもいいメモリ量の設定です。
デフォルトのままでよいです。
Express版の場合、使用できるメモリ量が1.4Gに制限されています。
SQL Server は必要と空きに応じて、使用メモリ量が随時変わります。
本運用でStandard版を使用し、複数のインスタンスをインストールする場合や、他のシステムへの影響を防ぐために設定することがあります。
TPiCSの計画明細処理等では、一時的にデータベースに多くメモリを使用するためStandard版の方が高速に処理ができます。所要量計算はシステムのメモリを多く使用しています。
データベースエンジンの構成
ユーザーインスタンス
[ユーザーインスタンス]タブをクリック。
デフォルトのままでよいです。
データベースエンジンの構成
FILESTREAM
[FILESTREAM]タブをクリック。
デフォルトのままでよいです。
[次へ]をクリック。
インスタンスのインストールが開始されます。
インストール中