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苗のマスターサンプル

この資料は、

TPiCSの基礎講座や、研修会を受講され、基本的な操作方法やおおよその機能をご理解いただいた方に、その先の“ものづくり”の視点から、アイテム構成の要点を捉えて、マスター構築のヒントにしていただくためのものです。

 

今回は、菜園用トマト苗生産のマスターサンプルを作成しました。

土づくりからはじまり、種まき、苗の完成までの一連の生産管理を行います。

 

長い期間の生産計画のイメージを掴んでいただくため、生産計画は作成済みです。

データーの日付に合わせていただくための設定や、長期間の生産管理を行うための設定を行い、データを読込むことにより生産計画の全体像をご覧いただきます。

 

その後には、作成済みの生産計画を削除し、受注や見込み生産の生産計画作成から出荷までの運用をお試しいただく説明を載せています。

 

ぜひご活用ください。

 

生産のポイント

これは、架空の生産管理ポイントです。

  • 苗の生産は土づくりから始めている。
  • 土づくりから苗の完成までの長い期間の生産計画です。
  • 得意先からの受注と、見込生産の計画を混在したトマト苗の生産計画を作成します。
  • 苗を育てるハウスの空きスペースを考慮し、ハウスを選択します。

目次

トマト苗の構成イメージ

石灰土づくりは定植予定の2週間以上前に苦土石灰(150g)をまいて深く耕す。

発芽期の水やりは2日おきに計11回繰り返し、本葉期の水やりは3日おきに計10回繰り返し。


前準備

①トマト苗完成までのリード日数が長いので、計画日数を120日に設定しています。

 生産計画テーブルの計画日数:120日(デフォルト62日)

②5月上旬の完成に合わせ、当日を2030年1月20日に設定します。

 "C:\Program Files\TPiCS\Prg51\Tx51\TX51.exe" /Dt=2030/01/20

③部門別ガントチャートの集計する期間:120日(デフォルト30日)

④テキストファイル読込み

①計画日数の設定

1.データベース設定ツールを開く。

2.テーブル設定(タブ)の[生産計画表]ボタンを押す。

3.生産計画テーブルの計画日数(タイトル)の設定値を120へ変更。

4.[登録]ボタンを押す。

5.実行値の120を確認してください。

②当日の設定

 通常は行わない特別な設定です。 

 

1.TPiCS Ver5.1のプロパティを開く。 (TPiCSアイコンの右クリック)

2.リンク先:“C:\Program Files\TPiCS\Prg51\Tx51\TX51.exe”の後ろに半角スペースを1桁入れて /Dt=2030/01/20を登録。

 "C:\Program Files\TPiCS\Prg51\Tx51\TX51.exe" /Dt=2030/01/20

3. [適用(A)]ボタンを押す。

4. [OK]ボタンを押す。

③部門別ガントチャートの集計期間の設定

1.[設定]-[全レベル設定]-[計画業務]を開く。

2.[部門別ガントチャートの設定]-[部門別ガントチャートの集計する期間]の設定値を120へ変更。

3.[登録]ボタンを押す。

4.実効値の120を確認してください。

④テキストファイル読込み

1.[定型処理]-[テキストファイル読込み]フォームを開く。

2.[フォルダー]へダウンロードされたCSVファイルのパスを指定する。

3.「マスター関連選択(在庫一覧テーブル含む)」

  「管理資料関連選択」

    「計画・実績関連選択」

    「同じキーのデータがあれば上書きする」

 のチェックボックスをオンにする。

4.[読込み開始]ボタンを押す。

ダウンロード
トマトの苗(マスターテンプレート).zip
zip ( 圧縮 ) ファイル 458.1 KB

テスト環境のデータベースを用意するには

マスターデータの読み込みは、実運用中のデータベースで行うと誤って実運用データを消してしまうことがあります。

テスト環境用のデータベースを作成してご利用ください。


使用しているシステム、オプション

CSVデータは、アイテム件数を50件以内に抑えており、デモ版でお試しいただけます。

50件を超えて使用する場合は、以下のオプションが必要となります。

  • 繰返生産システム
  • 受注販売管理オプション
  • 部門別ガントチャートオプション
  • 工程管理オプション

生産計画作成済みのデータとマスターの確認

[部門別ガントチャート]フォームでサンプルの生産計画を確認

計画期間が長いので[拡大率](画面右下)の設定を初期値100%から50%へ変更しています。

サイドパネルの[前後の計画]を押し、画面の下へ表示を移動しています。梱包担当の「トマト苗トレイ(24ポット)」4月17日を表示しています。

関連マスターの確認

①[製造担当マスター]フォーム

苗を育てるハウスが2棟"H01"と"H02"あり、それぞれハウス1棟でトマト苗の最大ポット数は4800本です。 

ハウスの空き面積を考慮し、ハウス"H01"と"H02"を選択するため能力を”4800”に設定しています。

②[製品構成表]フォーム

出荷時の”トマト苗トレイ(24ポット)”は1個の“トレイ” へ”トマト苗”を24本入れます。

ハウス"H01"と"H02"のトマト苗の最大ポット数は4800本なので、1棟のハウスでは ”トマト苗トレイ(24ポット)”が”200”分の生産が可能です。

③[作業マスター]フォーム

「発芽期水やり1(2日おき)」は、2日おきに行うため[納入リード日数]を"2"にしています。

「間引き」後に行う「本葉期水やり2(3日おき)」は、3日おきに行うため[納入リード日数]を"3"にしています。

④[工順マスター]フォーム

トマト苗に設定する工順コード"M1"について

 

・2日おきに行う「発芽期水やり1(2日おき)」は、11回繰り返します。(計22日間)

・「間引き」の納入リード日数が1のため2日間の計画日になります。 (2日間)

・3日おきに行う「本葉期水やり2(3日おき)」は、10回繰り返します。(計30日間)

 

 トータル54日間の工順マスターです。

⑤[作業時間マスター]フォーム

トマト苗(TOMATONAE)の[製造リード日数]“53”に合わせ、[標準時間]を“54”に設定しています。

これにより、[部門別ガントチャート]のハウス""H01“と"H02"の負荷(使用面積)が確認できます。

*[製造リード日数]は当日の完成は"0"、翌日の完成は"1"としていますので"53"の設定は54日間となります。

⑥[アイテムマスター]フォーム

トマト苗“TOMATONAE”の[製造リード日数]は、工順コード” M1”のトータルリード日数に合わせ“53”を設定しています。

受注から出荷までの運用を操作

マスターサンプルには、生産計画のイメージを掴んでいただくため、受注と見込の生産計画が作成済みです。

ここからは、受注や生産計画のデータすべてを削除し、ご自身で受注から出荷までの運用をお試しいただくための手順です。

まずは、作成済みの生産計画を削除します。

作成済みの生産計画削除

[生産計画表]フォームを開く。

 

以下、通常は行わない特別な操作です。

 [Ctrl]ボタン+ [Alt]ボタン+ [C]ボタンを押す。

「いいえ」をクリック・・・在庫一覧の現在在庫もゼロにします。

「本当にいいですか?」は、 「はい」をクリック。

 

受注データ入力

[受注データ入力]フォームを開く。

 

*2件の受注データを入力します。

 [新データ]ボタンを押す。

 下記データを入力。

「アイテムコード」=TOMATONAE24 「得意先」=T00 「指定納期日」=30/04/24 「受注数量」=20

 [登録]ボタンを押す。

 

 [新データ]ボタンを押す。

 下記データを入力。

「アイテムコード」=TOMATONAE24 「得意先」=T02 「指定納期日」=30/04/26 「受注数量」=10

 [登録]ボタンを押す。

見込の生産計画作成

トマト苗の完成までの期間が長く、短納期の受注に対応するため、見込みの生産計画を作成します。

①見込生産の計画入力

[生産計画表(所要量計算)]フォームを開く。

 

*5件の見込み生産の計画を入力します。

「アイテムコード」=TOMATONAE24 「見込」行へ下記を入力。

 4月17日へ“50”

 4月24日へ“100”

 5月01日へ“70”

 5月08日へ“50”

 5月15日へ“30”

*「見込」行は、右クリック [データ管理]-[見込行作成]で作成できます。

②所要量計算

[生産計画表(所要量計算)]フォームを開く。

 

[所要量計算]ボタンを押す。

[実行]ボタンを押す。

[計画明細作成]を実行。

③時系列の在庫の確認

「完成品:トマト苗トレイ(24ポット)」を含む各アイテムの時系列の在庫を確認できます。

[在庫]の行は、受注と見込みの生産計画と、出荷計画を考慮した在庫の計算在庫を表示しています。

いつ、どれだけの出荷が可能か把握できます。

部門別ガントチャート

①負荷確認

[部門別ガントチャート]フォームを開く。

 

[調整用全集計]ボタンを押す。

ハウス1の負荷が3月8日から100%を超えています。

ハウス1棟の面積でトマト苗の最大ポット数は4800本です。

②負荷調整

ハウス1のトマト苗「3/8の1680本」の計画を選び「右クリック」-「分割」で[計画明細の分割]パネルを開きます。

「指定数量で2分割」を選び、“480”を入力し[分割]ボタンを押す。

*1200本と480本に計画が分割されました。

「480本」の計画をハウス2へ移動します。

続けて、「3/15の1200本」と「3/22の720本」の計画もハウス2へ移動します。

*ハウス1の許容数を超えないよう計画を調整します。

 [反映]ボタンを押す。

注文書発行の準備

[注文書発行]フォームを開く。

 

[伝票発行予定日]をご確認ください。注文書や作業指示書の発行は、所要量計算により算出された納期と本日からアイテムマスターに設定された伝票発行期間を考慮し、リード日数に合った適切なタイミングに行います。

このサンプルデータは購入アイテムの手配から製品完成までの期間が長いので、全ての「伝票発行予定日」を本日(2030年1月20日)へ変更し、全ての伝票を発行します。

 

[長期]を押す(ON)。

[本日発行]を押す。

「今表示されている全てのデータを本日伝票発行します。」を「はい」。

[長期]を押す(OFF)。

*全ての「伝票発行予定日」を本日(2030年1月20日)へ変更しました。

 

[長期]ボタンについて

まだ「伝票発行期間」に入っていないデータを表示します。[本日発行]ボタンと組み合わせて使います。

 

[本日発行]ボタンについて

[長期]ボタンが押されているときに機能します。 先行きの内示計画が確定したので早めに伝票発行したいときなど、本来は伝票発行期間外の データの「伝票発行予定日」に「本日」をセットし、伝票発行対象に変更します。

注文書発行

[注文書発行]フォームを開く。

 

[印刷]ボタンを押す つづけて「はい」。

「印刷用の書出しが終了しました。」を「はい」。

「処理が終了しました。」を「はい」。

*赤玉土(AKADAMA)は、アイテムマスターの[ロットサイズ]が2000に設定しているため、生産計画は”2000”です。[単位]は“Kg”です。

[換算係数]は”20”、[単位(換算後)]が”袋”に設定しているため、発注は”100袋”です。

作業指示書発行の準備

[作業指示書発行]フォームを開く。

 

作業指示書も注文書と同様に、製品完成までの期間が長いので、全ての「伝票発行予定日」を本日(2030年1月20日)へ変更し、全ての伝票を発行します。

 

[長期]を押す(ON)。

[本日発行]を押す。

「今表示されている全てのデータを本日伝票発行します。」を「はい」。

[長期]を押す(OFF)。

*全ての「伝票発行予定日」を本日(2030年1月20日)へ変更しました。

作業指示書の発行

[作業指示書発行]フォームを開く。

 

[印刷]ボタンを押す つづけて「はい」。

「印刷用の書出しが終了しました。」を「はい」。

「処理が終了しました。」を「はい」。

実績入力

①購入アイテムの受入実績入力

[資材検収実績入力]フォームを開く。

 

[納入予定日]を▲ボタンで昇順に並べ、日付の早い順に[登録]ボタンで全ての実績を入力します。

現在在庫の確認

[現在在庫一覧]フォームを開く。

 

*[現在在庫一覧]の赤玉土(AKADAMA) の「現在在庫」を確認してください。

*赤玉土(AKADAMA)は、1袋20Kgが数量”100”の実績入力が1月31日と2月21日の2件により、「現在在庫」は4000Kgです。

③生産実績入力

[生産実績入力]フォームを開く。

 

[完成予定日]の▲ボタンで昇順に並べ、日付の早い順に4月23日まで[登録]ボタンで実績を入力します。

④出荷指示書の発行

[出荷指示書発行]フォームを開く。

 

[出荷日指定エリア]へ”30/04/24”を入力する

[印刷]ボタンを押す。 

⑤出荷実績入力

[出荷実績入力]フォームを開く。

 

受注注番:”RR0001”を選び[登録]ボタンを押す。

現在在庫の確認

[現在在庫一覧]フォームを開く。

 

すぐに出荷できる「完成品:トマト苗トレイ(24ポット)」の数を確認できます。