2023年7月18日リリース版のTx5.0より、インボイス制度に対応した仕入明細書を印刷する機能が追加されました。
[支払予定表]フォームで、買掛明細から集計した支払予定データを元に仕入明細書を印刷します。
新しいデザインファイルTxPrintDesign_Pays.xlsmから、[支払先マスター]の「仕入明細書デザイン」に従って出力されます。
1.インボイス制度の仕入明細書とは
インボイス制度では、事業者が仕入税額控除を受ける際、基本的には仕入先(売り手)から受け取った適格請求書が必要となります。
ただし仕入先が適格請求書発行事業者であり、必要な記載事項を満たしていれば、自社(買い手)が仕入先に発行した仕入明細書を請求書の代わりにすることができます。
・システムや社内管理上の問題で、仕入先に適格請求書を発行するパワーがない
・各仕入先からそれぞれ請求書が送付されるのを待っていると支払業務に時間がかかる
などのケースで、自社から仕入先に対して仕入明細書を発行したい場合、この機能がご利用いただけます。
なお、2022年11月にリリースされたインボイス対応の請求書については下記をご確認ください
2.仕入明細書印刷の仕組み
[業務メニュー]-[資材業務]-[支払予定表]フォームで集計した支払予定データを元に印刷を行います。
[支払予定表]は本来社内向けに支払管理を行うための機能ですが、このフォームで集計した支払予定データを仕入明細書の印刷にも使用します。
[支払先マスター]の「仕入明細書デザイン」をあらかじめ設定してください。
また、仕入先の、適格請求書発行事業者としての登録番号が必要となります。[支払先マスター]で各仕入先に対して設定してください。
3.「仕入明細書デザイン」の内容
仕入明細書を印刷するための新しいデザインファイルTxPrintDesign_Pays.xlsmが追加されました。
標準のテンプレートは下記の二種類ご用意しております。
●[仕入1(PAYS1)]…仕入先向けの[仕入明細書]
仕入の内容を仕入先に通知する用途を想定したデザインです。
前月以前の過払引当て額や、外注加工における有償支給額等による金額の相殺は行わず、純粋な購入金額を表示します。
①[支払先マスター]の「適格請求書発行事業者登録番号」
②税率毎に合算した購入金額と消費税額
③相手方の確認を得るための文言をデフォルトで表示
●[仕入2(PAYS2)]…社内向けの[支払予定表]
社内の経理担当者の方が振込作業のために使用する用途を想定したデザインです。
購入金額から過払引当て額や有償支給金額等を差引いた、“支払う予定の金額”を表示します。
①支払先の銀行口座の情報
②仕入明細欄に有償支給のデータも出力
・実質は売掛と同等の意味を持つため、数量や金額をマイナス値で表示
・赤伝データとの区別をつけやすくするために有償支給のフラグも表示
③税率毎の合計金額や消費税額(有償支給を含む)
純粋な購入金額だけを表示する[仕入1]の仕入明細書ではなく、有償支給を含む仕入明細書を利用したいケースを想定
[仕入2]のデザインをカスタマイズし、有償支給ありの仕入明細書としても利用可能
④合計金額から過払引当て額や支払済額などを差し引いた、支払予定金額
4.追加項目
[支払先マスター]
●追加フィールド
・端数(消費税の扱い)(HASUUTAX)
・適格請求書発行事業者登録番号(TNO)
・仕入明細書デザイン(DESNAMEPAY)
・部署(BUSHO)、電話番号(TEL)、住所(ADR1、ADR2)など仕入先の会社情報
[支払予定表]
●追加フィールド
・発行日(仕入明細書)(DDATE)
・印刷済み(PSUMI)
・オリジナル伝票発行日(FSTDDATE)
●計算フィールド、参照フィールド
・「税抜購入金額(10%)」(KOUNYUU10)、「税抜購入金額(8%)」(KOUNYUU8)
有償支給を含まない税抜購入金額です。税率毎に求められます。
・「購入消費税額(10%)」(KTAX10)、「購入消費税額(8%)」(KTAX8)
有償支給を含まない購入金額の消費税額です。税率毎に求められます。
・「税込購入金額」(TKOUNYUU)(※有償支給を含まない)
有償支給を含まない税込購入金額です。全ての税率を合算します。
・「税抜有償支給金額計(10%)」(SIKYUGAKU10)、「税抜有償支給金額計(8%)」(SIKYUGAKU8)
税抜有償支給金額です。税率毎に求められます。
・「有償支給消費税額(10%)」(STAX10)、「有償支給消費税額(8%)」(STAX8)
有償支給金額の消費税額です。税率毎に求められます。
・「税抜支払予定金額計(10%)」(YOTEIGAKU10)、「税抜支払予定金額計(8%)」(YOTEIGAKU8)
購入金額から有償支給分を差引いた金額です。税率毎に求められます。
・「消費税額(10%)」(YTAX10)、「消費税額(8%)」(YTAX8)
購入金額から有償支給分を差引いた消費税額です。税率毎に求められます。
・「支払先銀行コード」(P_BANK)
・「支払先口座番号」(P_ANUM)
・「支払先銀行名」(P_GNAME)
・「支払先支店名」(P_NNAME)
・「支払先口座区分」(P_GKUBU)
[支払先マスター]に設定された銀行口座の関係の情報を参照表示します。
※ 追加されたフィールドについては、[データベース設定ツール]-[フィールド・データメンテナンス]タブで[フィールド追加(支払先マスターテーブル・支払予定表テーブル)]ボタンを押して追加してください。
5.[支払先マスター]の「消費税額計算方法」
支払予定データの集計時、[支払先マスター]の「消費税額計算方法」に従って消費税額を計算します。
・合計金額で計算する
従来は税率関係なく合計した金額から計算されていたのを、税率毎に合計した購入金額等に対して消費税額を計算する動作に変更しました。
・個別に計算する(割戻し)
インボイス向けに追加された選択肢です。税込金額を税率毎に合計し、10/110または8/108を掛けて税率毎の消費税額を計算します。