TPiCSを運用中に大量のデータを一括で訂正したいということがあります。
例えば、単価や売価の情報が更新されたので単価マスターと売価マスター「発注単価」と「契約売価」を一括で置き換えたい、ユーザー定義項目にセットした値を一括で別の値に訂正したい場合などです。
他にもアイテムコードや製造担当コードなど、各テーブルのキー項目になっている値を変更したい時があります。
仮のコード体系でTPiCSを運用していたが正式な体系が決まったので一括で置き換えたい場合や、現行のコード体系が別の体系に変更された場合などです。
通常、キー項目は変更出来ない設定になっていますが、TPiCSにはこれらを一括変換する機能があります。
ここではこのような大量データの一括訂正、各種コードの一括変換の方法についてご説明します。
目次
1.大量のデータを一括で訂正/変換する手順
多くのデータの値を一括で置き換えたいことが多々あると思います。
大別すると、1つのフィールドに同じ値をセットしたい場合と、単一、もしくは複数のフィールドに異なる値をセットしたい場合があります。
例えば、前者は備考欄やユーザー定義項目に特定の値をセットする、後者は[単価マスター]の右クリックメニューで一括作成した単価レコードに発注単価を一括セットする場合が考えられます。
まず、1つのフィールドに対して同じ値を一括でセットする方法をご紹介します。
●[一括変換・一括抹消]パネルを用いる方法
例:製品Aを構成するアイテムに対して、アイテムマスターに追加した「製品グループ」のフィールドに同じ値をセットする
①各フォームの右クリックメニューから[データ管理]-[一括変換・一括抹消]を開く(Ctrl + Rキーでも開きます)
②グリッド部で変換したいセルをクリックし、パネルの青いピンのボタンでフィールド名を取り込む

③「変換値」に値を入力して[変換]ボタンをクリック

④取り込んだフィールドに対して指定した値がセットされる
[DBへ反映]ボタンで結果を反映してください。
操作が間違いだった場合などは[キャンセル]ボタンで処理をロールバックします。
注意点として、変換直後の状態ではトランザクションを掛けているので、長時間反映もキャンセルもしない状態で放置していると他の処理に影響を及ぼします。
なるべく早く反映するかキャンセルしてください。

●テキストファイルを用いて訂正する方法
例:単価マスターの「発注単価」に一括で単価をセットする
①変換対象のCSVファイルを用意する
単価マスターの場合、キー項目がTIDなので最低限以下の項目が揃っていれば読み込めます。
・TID
・DKUBU(データ区分)
・PRICE(発注単価)
実際にはアイテムコードや発注先が無いと、どの単価レコードか分かりにくいと思います。
必要に応じてその他の列を追加してください。
作成後はファイル名を"TXTANK.csv"にリネームします。

②[テキストファイル読込み]を開き、[📁]のアイコンでテキストファイルの読込み先を指定する
③単価マスターの「対象」にチェックを入れ、[読込み開始]ボタンで読込み

読込み後

2.アイテムコードの一括変換
ここではアイテムコードを変換する機能の使い方をご説明します。
アイテムコードを始め、製造担当コードや得意先コードなどのキー項目はフォームからの直接変更や、SQLツールからのupdateは想定していません。
これら項目は各テーブルのキー項目のため、無理やり変更すると不整合状態になってしまいます。
変更時は必ずこの機能を用いて変換してください。
アイテムコードの一括変換は、[設定]-[システム管理]-[データ一括変換]-[アイテムコードの一括変換]で行います。

●基本的な使い方
「旧アイテムコード」に変換したいアイテムコード、「新アイテムコード」に変換後のアイテムコードを入力して[実行]ボタンで変換します。
「新名称」は名称も同時に変更したい場合に入力してください。
名称を変更しない場合は空白のままで構いません。
何れかの項目に値を入力後、グリッド部の余白をクリックするか、キーボードの[↓]キーを押すと行追加されます。
●CSVを用いた変換方法
変換件数が少ない時は問題ありませんが、100件や1,000件となると手動で変換するのは大変です。
その場合は、変換対象データのCSVファイルを作成して一括で変換すると簡単です。
CSVを用いた変換は以下の手順で行います。
①変換対象のCSVファイルを作成
以下のヘッダータイトルのCSVを用意する(ファイル名は自由)
・OLDCODE(旧アイテムコード)
・NEWCODE(新アイテムコード)
必要に応じて
・NEWNAME(新名称)

②画面真ん中にある[📁]のボタンをクリックし、①で作成したCSVファイルを選択
③[変換データ読込み]ボタンでグリッドにデータを表示
④[実行]ボタンで変換

変換後

●設定について
・「製造履歴データも変換する」
この設定をONで変換すると、製造履歴管理オプション使用時の[製造履歴表]のアイテムコードも変換します。
通常、履歴の原簿データはロットトレースの観点から製造時点のアイテムコードのままにすることが一般的です。
例外的に原簿データのアイテムコードも新しいものに変換したい時はONにしてください。
・「既に同じアイテムコードがあるときの動き」
新アイテムコードに指定した値が既に存在している時の動作を設定します。
①変換しない
既に同じコードがあれば変換しません
②アイテムコードがキー項目に含まれていれば、該当レコードは旧コードのままにする
既に同じコードがあっても変換しますが、アイテムコードがキー項目のテーブルは変換せずに旧アイテムコードのまま残します。
③アイテムコードがキー項目に含まれていれば、重複する既存の該当レコードは抹消して変換する
既に同じコードがあっても変換し、アイテムコードがキー項目のテーブルはコードが重複するレコードを抹消して変換します。
この他に製造担当コード、得意先コード、注番、製番も一括変換可能です。