▲生産に関わる皆さん

セイホーマックス株式会社

工場の生産性が4割向上

情報の戦略活用も視野に

セイホーマックスのTPiCS生産管理システムの活用が着々と進んでいる。導入から4年。リアルタイムの在庫管理や原価管理が可能になり、採算割れの仕事がなくなった。中でも一番の成果は、工場作業者一人ひとりの生産高が明確になり、競争意識が生まれて生産性が4割も向上したことだ。それでも高須賀巧社長は「まだ完全に使いこなせているとは言えません」ときっぱり。今後は工程情報の「見える化」や生産情報の戦略活用などにも挑む考えだ。



機械部品メーカーの商社

 セイホーマックス㈱は伝動機器、省力化機器、産業電気機器など、さまざまな機械部品の製造販売を行う「メーカー商社(工場を持った商社)」だ。事業は大きく3つある。1つ目はメーカー製品を仕入れ、無加工のまま納品する商社業務。2つ目はメーカー製品に追加工して納品する業務。3つ目は顧客からもらった図面をもとに全加工する業務である。顧客の大半は大手のセットメーカー(完成品メーカー)であり、100社前後と取引がある。

 特徴はそれだけではない。160社以上の外注先を持ち、それらの企業の協力を得て熱処理や、めっき、組立など、およそ機械部品の加工なら何にでも対応できる。顧客にしてみれば、同社に一括発注すれば完成品として納入してくれるのでメリットは大きい。フライス盤やマシニングセンターを使う一般部品の機械加工は、1~100個までの小ロットであれば社内工場で加工し、それ以上の量産は外注先で行うことにしている。

 会社設立は1984年で、機械関連の総合商社に勤務していた高須賀氏が独立して起業した。商社としてスタートしたが、商社機能だけだとテリトリーの壁に阻まれ大手セットメーカーとの取引は難しい。そこで、設備を導入して部品加工も行うようにしたのが今の業態の始まりであ

る。同規模の部品加工会社の場合、営業マンの数は1人か2人というのが普通だが、「メーカー商社」を標榜するだけあって、同社の営業マンの数は社員の約3分の1に当たる9人という強固な陣容だ。

 ▲ 加工工場内


過去の生産管理は失敗の連続だった

 ▲ 高須賀社長

 会社の成長とは裏腹に、過去、生産管理システムには泣かされ続けた。高須賀社長は開口一番、「いろいろ試みたものの、はっきり言って失敗ばかりでした」と言う。最初はオール手書き管理。次に、市販製品の中でも最も簡易なソフトウェアを導入。その後、業容拡大に伴い、地元のソフトウェア会社に依頼してスクラッチで社内システムを作ってもらったが、工程管理はなく、本来の目的の生産管理システムにはほど遠い伝票発行だけに留まっていた。

 「一番の問題は売上と在庫が連動しないことであり、そこが長年にわたる大きな壁でした」と高須賀社長は打ち明ける。ひとくちに部品加工と言っても、材料の仕入先は1社とは限らず、工程をまたいで4~5社から仕入れることがある。加工工程も多岐に渡り、途中に外注加工が入る場合もある。ところが、旧システムで管理できるのは購入した材料の値段と数量だけであり、売上は立っても、中間工程の在庫の把握などは全くできなかったのだ。

「スクラッチのソフトウェア会社には何度か要望を出しましたが、逆に『在庫管理はなしにしてほしい』と懇願され、万事休すとなったのです」(高須賀社長)。


社員の投票で導入システムを決める

 しかし、在庫管理がきちんとできないうちは、製造業としては不十分であり、何とかものにしなければならない。そのため、新規に生産管理システムを構築することを決めた。市販のプロダクツを調べ上げ、最終的に2つのシステムに絞り込んだ。ところが、それまで生産管理システムの運用経験がなかったため、高須賀社長一人では「どちらを選ぶべきか」の判断がつかなかった。

 そこで2014年の秋、システムインテグレータ(以下SI)2社にプレゼンテーションをしてもらい、どちらのシステムを導入するかを社員の投票によって決めた。その結果、選ばれたのがTPiCSである。「正直なところ、その時点では機能の優劣までは分からず、SI会社の富士ゼロックス愛知さんの説明の仕方がよくて決まったようなものでしたが、今ではTPiCSを選んでよかったと思っています」(高須賀社長)。

 SI会社には現状のさまざまな問題点と要望を伝えた。例えば、受注管理では受注入力後に外注先、提示価格・原価、数量などの受注情報の変更に時間がかかっていること。製品の受注だけでなく、ユニット部品での受注対応も必要であること。受注が確定する前に先行して外注発注を行いたいこと、などである。また、生産指示で手配漏れや遅延の発生が頻発していること。工程管理では問い合わせの対応に時間がかかること。原価管理では赤字のリピート受注が発生していること。そして在庫管理ができていないこと、などである。

社員間に競争意識が芽生え、生産性が4割向上

                           ▲ 高須賀泰江氏

                              ▲ 藤本里美氏

 ▲TPiCSの画面

 その結果、ほとんどの業務領域で、SI会社から明確な回答を得ることができた。受注管理では受注情報変更機能を使って登録情報を変更することやキャンセル伝票を発行すること。部品とユニットの構成管理機能を使ってユニット部品の構成を取り替えることなどだ。生産指示では、製品、ユニットごとに手配日を決める伝票発行期間機能を使った計画的な発注/指示の実施。工程管理では受注ステータス管理と実績入力・検索機能を使った計画に基づく実績入力と進捗状況の確認。原価管理では原価実績確認機能を使って、リピート受注時に過去の実績(原価・売価)を確認すること。そして日々の入荷/出荷実績を確実に行い、リアルタイムに在庫が確認できるようにすることである。

 ただし、サクサクと事が運んだわけではない。同社の場合、内作、外作の判断にはじまり、受注・出荷入力、材料の仕入れや外注先への発注、在庫管理などは営業マンがすべて行う。人によって、在庫を多めに持つ人もいれば、受注した数量ぴったりに持つ人など、在庫管理の仕方や入力方法も異なる。そのため、「ある程度の標準化は

したものの、慣れを考慮してこれまでのやり方を踏襲できるようにしたため、システムが複雑にならざるを得ませんでした」と取締役総務部長の高須賀泰江氏は話す。

 当初は、入荷/出荷実績の登録にバーコードを活用する計画でいたが、手入力よりも入力スピードがやや遅かったため、棚上げにした。作業として最も厄介だったのは、やはりマスター登録だ。「旧システムのマスターを移行したものの、きちんと整理されたものばかりではなかったため、新規登録に手間取りました」(総務部の藤本里美氏)

 2015年6月にシステムが稼働。目に見えて効果が現れたのはそれから1年後くらいからだ。在庫がリアルタイムに把握でき、棚卸し情報が正確になった。原価管理でも以前は赤字のリピート受注がたびたび発生したが、それが全くなくなった。

 何と言っても最大の効果は、この3~4年間、生産設備や人員は変わって

いないのに、工場の生産高が4割も向上したことである。それまで生産の評価は営業のようにはいかず、完成品の数と作業時間で割り出す工場の出来高では、経営サイドでも「今月は全体で約600万円の売上があった」といったザックリとした数字しか掴めていなかった。大須賀社長の勘と経験から察するに、収支はギリギリの状況だったが、いくら「儲けが出ていない」と発破をかけても、現場の作業者は動こうとはしなかった。

 しかし、TPiCSを使うようになってからは、作業の開始と終了時にボタンを押すだけで、毎月の個人別の出来高が明らかになった。それを機に、作業者間で競争意識が芽生え、例えば段取りの上手な人がいると、その人にやり方を教わるなどの好循環が生まれた。さらに出来高を賞与に反映させると、その勢いに拍車がかかり、工場業務が完全に黒字になったという。


工程の見える化や情報の戦略活用を検討

 このようにTPiCSの導入効果はさまざまな面で現れている。しかし、まだ、完全に使いこなせているわけではない。「システム上で工程管理ができるようになり、進捗状況が分かる帳票を回覧しても、現場作業者というのは、自分の目の前に材料が置かれないとピンと来ないようなのです」(高須賀社長)。材料がない日は時間を持て余し、翌日になって一気に入るとお手上げの状態になり、残業や休日出勤でこなした後は、また時間を持て余す。

 しかし、進捗状況を掴めていれば、前後の工程の担当者と相談するなどして、工程負荷の平準化はできるはずだ。ただし、数値情報は読みたがらない。そこで、現場にモニターを設置して、誰もが一目で分かるような工程の「見える化」ができないか検討している。このほか、TPiCS がもたらす各種情報を分析し、経営戦略に活用することなども計画している。

 ▲加工業務は旋盤、マシニング、フライスなどの機械加工が中心


会社概要

セイホーマックス株式会社

▲本社工場

代表者 高須賀 巧
本社 〒459-8001 愛知県名古屋市緑区大高町字己新田103-1
 TEL.052-622-0311 FAX.052-622-0767
設立

1984年6月

社員数 26人
資本金 1000万円
売上高 5億5000万円(2019年3月期)
URL http://www.seiho-macs.co.jp

主な製品例


導入システムインテグレータ

富士ゼロックス愛知株式会社

ものづくり環境の変化を背景に、システムの見直しを検討されているお客様が増えています。

弊社のものづくりを経験したエキスパート人材を活用し、標準化とシステム構築をご提案致します。


〒460-8404 愛知県名古屋市中区栄1-12-7   富士フィルム名古屋ビル 7F

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支援担当:本多 正明

担当営業:木村 麻由佳

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